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古 糊と科学糊

【古 糊】『小 麦粉から分離された澱粉粒子〈麩などをつくった残滓(ざ んし)のうち、「正麩(しょうふ)」と呼ばれる小さな粒子(210ミ クロン)』を『(じん)正 麩(しょうふ)(じん)(のり)となり、大寒に『精製水』と釜で炊 き10年間以上暗室で寝かせたものを『古糊(ふるのり)となる

 

     ◦ 最初は「固く」「癖」も悪いが掛け慣らすと「軟らかく」よい「(くせ)」になる

 

     ◦ 修復の際には「はがれやすい」

 

◦ 「絵画」や「書画」や「裂地」には「残留」しない

 

糊による「裂地」への「シミ」が出ない

 

【化 学糊】科 学的に合成された接着剤。「湿式」では「エマルジョン接着剤」が用いられ、「乾式」では「EVA樹 脂」などがある

      

※エマルジョン 接着剤とは

      ゴ ムあるいはアセチルセルロースなどを有機溶剤の混合物に溶かした溶液型接着剤

 

溶 液のなかでも,古くからのデンプン糊や膠のように水に溶かした水溶液型接着剤

 

  ◦酢酸ビニルのような水に溶けない高分子がコロイド状に水と混合して懸濁(け んだく)してい るエマルジョン型接着剤

      

EVA樹 脂とは(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer

◦(エチレンビ ニールアセタートコポリマー)

の略称で、エチ レンと酢酸ビニル共重合体させた合成樹脂のことです

     「絵画」や「書画」や「裂地」などに「残留」する

◦ 糊による「シミ」が出る(本紙や裂地の表面に出てくる)場合もある

 

斑 点などのシミ

斑点などのシミは、様々な状態や取り扱いの方法で出てきます。





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